■三菱鉛筆株式会社様 会社概要
「Uni」でおなじみの三菱鉛筆株式会社は、鉛筆などの「筆記具事業」だけにとどまらず、ペンのインクや鉛筆の芯の開発などで培った技術を使った「産業資材事業」や、各種化粧品のOEM提供を行っている「化粧品事業」など、強みを生かした事業を幅広く展開しています。
三菱鉛筆株式会社様
■お話を伺った方 ※ご所属・役職はインタビュー当時のものです

■実施されたこと
日本国内A工場の組立ラインにおける、設備稼働状況の可視化・設備総合効率(OEE)の改善
紙で記録していた日報の管理と活用が課題
設備の立ち上げを機に、製造能力の可視化をするため導入を決断
「製造業において、日本国内の労働人口の減少や、海外人件費の高騰を考えると、デジタル活用は積極的に行うべきと普段から考えていました。」と飯田氏。
三菱鉛筆株式会社では、当時、トレース目的で紙で日報を記録し管理を行っていました。そのため、書類を管理する手間がかかり、また、用途も生産実績や時間稼働率などの分析に、もっと活用していきたいという課題感があったといいます。
そのためデジタル化の必要性を感じている一方で、「何から手をつけるべきか、大規模なシステム開発となると投資費用もかかるので、どのように進めるべきか、1歩が踏み出せない状況でした。」(飯田氏)
そんな中で製造設備を立ち上げることが決まり、住友商事の製造業DXサービス「moganadx」と出合ったことで、製造設備の製造能力を可視化していこうと、導入を決断しました。
自社開発の組み立てラインと連動させ、情報を一元化しグラフなどでわかりやすく可視化
三菱鉛筆株式会社には、自社開発の組み立てラインが既にありました。そこで、日報の入力もデジタル化し、同時に組み立てラインからの設備稼働状況や停止や不良理由などの情報もデジタル化して「moganadx」で一元管理できるよう導線を設計。
それらの情報は自動的にデータベースへ送られ、そこから「生産実績」「時間稼働率」「性能稼働率」「良品率」など、設備総合効率(OEE)を分析するうえで欠かせない指標が、自動的に管理画面(ダッシュボード)でグラフ化されて可視化。タイムリーに見るべき情報を見やすく把握することができるようになりました。
設備総合効率向上だけでなく組織力も向上
『moganadx』を導入したことで、時間稼働率、性能稼働率、良品率を改善するための情報を得ることが出来ています。
また、社内の実感としても、
・製造現場が頻繁にデータをもとに意見交換ができるようになった
・組織間の連携が促進した
・数値を見て判断できる風土へ
・新たにデジタル技術を活用したアイデアも生まれる
といったように、社内の生産性改善につながるPDCAサイクルが促進されつつあるという声が生まれています。
伴走型サポートは、サポートの進め方自体も社内のよい刺激に
導入をすすめていた時期は、コロナ禍で直接対面で打合せをすることができない状況でした。そこでウェブでのやりとりを通じて、要望の整理や要件、進捗の確認などを行ってきました。
その際の会議の時間や会議の運営方法などが、とても参考になったと飯田氏は言います。
「わからない部分の質問に対して、丁寧にわかりやすくご説明いただける点も助かりました。
導入過程のやりとりを通じて、『もっと当社で考える必要があるな』との気づきにつながることが多くありました。ひと言で表現すると『ブレイン集団』という印象で、非常に便りになる存在でした。」(飯田氏)
今後もデジタル管理によるデータ分析活用を推進
今後も製造業のデジタル活用は積極的に行う必要がある、と考えている飯田氏。
三菱鉛筆株式会社には基幹システムがあります。そのシステムを活用するだけでなく、「moganadx」と連携することで、どのようなことが実現できるのか、検証しながら進めていきたいと考えています。(飯田氏)